七宝焼の全盛期が過ぎて3、40年ほどでしょうか。
当初にくらべると七宝焼人口は激減し、たたまれたユウヤク製造会社も少なくないと聞きます。
今日はちょっとポップな色合いのものが欲しくて、お店が有る五反田まで。
と、せっかく五反田にでるなら少し足を伸ばしてということで、kimito帯留を取り扱っていただいている
「くるり 大丸東京店」
さんにご挨拶に伺ってきました。
東京駅八重洲北口には、毎年行われている日本七宝指導者協会の展示で使用する画廊がありますのでいつもの道。
てくてくと地下から上がって大丸東京の10階まで。
同じフロアにはさまざまな呉服屋さんが並び、趣味が「着物」となりつつある私はお客目線でも物色。
この時期はやはり浴衣や可愛い下駄、欲しくなっちゃいますね。
そして「くるり」さんへ。
お洒落ながらシンプルで入りやすく、見やすい店内。さすがでした。
素敵に飾っていただいています。
お客様が沢山いらっしゃったので、そのまま帰ろうかとも思ったのですが(特別にアポイントメントを取らずにおじゃましましたので)店員さんが声をかけてくだったので、「七宝焼の作家の植木です〜」と少しお話をさせていただきました。
現場のお話はためになる事ばかりで、短い時間でしたがとても有意義でした。
作家さんによるとは思うのですが、私は基本的に自分の作品をお見せするのがいつも少し恥ずかしい。
もちろん見ていただきたい、知ってほしい、何でも良いのでまず評価していただける土俵に立ちたい。
と強くおもっていもいますが、それでもいつも
「少し恥ずかしい」
のです。ですので今日も少しの緊張感をもってのご挨拶でしたが、行ってよかった。
くるりさんの浴衣、可愛かったなあ。
ありがとうございました。
ご挨拶を終え、五反田へ。
冒頭でも記しましたが全盛期にくらべて七宝焼人口が減った今、
廃盤になってしまうユウヤクが多く寂しい気持ちになります。
私も少しでも、この業界を盛り上げていけたらなあとか、50歳くらいになったら自分の身につけて来た技術を伝えられる人がいたらいいなあとか、考えてしまいます。
素敵な日本の伝統工芸であり、おもしろい技術ですから。
なんて真面目な事を考えつつ、1kg近いユウヤクを持って今度は神保町へ。
ユウヤクを持ち歩いている時にふと思うのですが、女でよかったかも。と。
なぜなら、男性は普通に歩いていても職務質問されることがあると聞くので。
もし今私が職務質問をうけたら「怪しい白い粉を小分けにして持ち歩いているやつ」として問いただされるのでは?
今迄生きてきて、職務質問をうけた経験はまだありません。よかった。
神保町へは以前の撮影でお世話になった「東陽堂」さんへ。
6月の頭にはお礼のご挨拶にと考えていたのにも関わらず、ばたばたと忙しくなってしまいやっと本日。
大丸で美味しそうなふわふわのどら焼きが目に留まったので、ほんの気持ちとしてお渡ししてきました。
古書店というと、なじみのない人には少しとっつきにくく、入りにくいというイメージが個人的にありましたが、東陽堂さんは撮影にご協力いただいた際も親切にしてくださって本当に素敵なお店です。
本日はあらためて、沢山の人にお世話になっていてありがたいと感じた一日でした。
ポップな帯留作りましょう。