お仕事で制作風景の写真が必要でしたので
せっかくだからと普段使っている道具たちを少し撮影したのでご紹介。
〈ダイヤモンドパッド〉
表面にダイヤモンドのやすりが張り付けられたスポンジのようなもの。
目の粗さを3段階に分けて使用しています。
一番上のものは使い込みすぎて穴が開いていますが、この使い込み具合が必須だったりします。
固い固いダイヤモンド様とはいえ、使ううちに少しずつ劣化して目がさらに細かくなっていきます。
使い込んだ目の細かなダイヤモンドパッドは最終仕上げにぴったりなのです。
〈鞍〉
両面をガラス質の釉薬で覆うkimitoの品物は、窯の中でこの鞍に支えられて焼成されます。
面ではなく、点で支えるのです。
なかなかに不安定で、はじめのころはこの鞍に乗せるだけのことに手こずったりもしました。
何度も何度も使ううちに、七宝焼の釉薬が少しずつこぼれこの鞍の上に落ち、焼き付けられ
さまざまな釉薬が重なり玉虫色に輝くものも。
〈砂時計(一分計)〉
どの道具も十年選手。
中でもこの砂時計はまだ高校生の、多感なお年頃なときになぜか油性マジックで全体を黒く塗ってしまったのにもかかわらず
(抱えきれない鬱憤を殴り書きすることで発散したような苦い記憶が…)
今やほとんどけずれて落ちて、マジックの黒は溝に残るのみとなりました。
一分を基準にひとつひとつ焼いていく七宝焼には重要な道具の一つです。
逆光もまた良し。
装飾品を作る身ではありますが、機能美が大好き。
必要に迫られて生まれた形にわくわくします。
人間を含む自然界の生き物の身体の造形。
機械、工場、生活用品、道具などなど世界は愛おしいもので溢れています。
これからもこの美しい道具たちとともに
七宝焼のすばらしさをお伝えできるよう努めてまいります!
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9月17日・18日・19日 YUITO