今日は「七宝焼について勉強したい」とおっしゃってくださった熱心な方に向けて
kimitoアイテムの技術的な説明をさせていただきました。
いろいろやらなくては!なことがたくさんあるのですが、
人にお話しさせていただいて、少し考えをまとめたくなったので
たまにはブログらしいブログを。
七宝焼と向き合う中で一番というか日々の暮らしでも気を付けていることが一つだけあって
「すべてに〇をつけよ。とりあえずは、そこから始まるのだ。」
という山田詠美さんの小説の中ででてくる言葉。
kimitoの七宝焼が「今までの七宝焼のイメージと違う!」や、
「同じ七宝焼なのにシリーズによってぜんぜん違うものに見える」とおっしゃっていただくことが多いのは
失敗や偶然から生まれた表現を生かしているからだと思うのです。
思っていたのと違う。理想と違う。
それをあらまーがっくり。だけで終わらせず、おもしろい。と思うように気を付けていたからこそ生まれた技法が、たくさん作品に採用されています。
次に「殺さない。」
例えばどんな顔の人もだいぶ昔に流行ったようなヤマンバメイクをすれば
ぱっと見誰もが同じような顔になりますが、
そうではなく、その人の良さを生かすメイク。
濃い味付けではなく、素材を引き立たせる繊細な味付け。
七宝焼に対してデザインをする。という考えは私にはあまりなく、
それぞれの釉薬の特性を見極め、技法の可能性を広げる。
その素材や技法が一番輝くようにということに重きをおいています。
七宝焼の可能性を殺さないこと。
色、素材、技法を一番いい形で出会わせるために手を加える。
濃い味付けのジャンクフードもときどき無性に食べたくなりますので、
あくまで基本的には。ということですが。
そして「多くなく少なくない」
最近は小さいころからの地味好きが私の中を牛耳っているのですが
好みではないとしても、いいな。と思うものもある訳で、
そういうものは総じて”多くなく、少なくない”のです。
これは完璧に個人的でかなり曖昧な感覚なのですが、「ちょうどいい」と感じるものは
イコールで魅力的に感じる場合が多い。
好みは変わったとしても、この感覚はきっとずっとぶれないと思うのです。
やりすぎない。足らなくない。
そんなみっつの、制作やものを見るときに大切にしていること。
細かく分類すればまだまだいろいろあるのですが、
大きく分けてこのみっつ。
自分にとってはとても明確な基準だったのに、いざ書き出してみると
なんだかとても抽象的でふわっとした文章になってしまいましたが、
常にこれらを自分に問いかけながら制作をしています。
そんなkimitoのアイテムは、明後日から一週間
梅屋さんのアトリエにてご覧いただけます!
詳細はコチラをご覧ください。
ワークショップのある二日間はわたくし作家の植木もおりますので、
お気軽に遊びにいらしてください♪
会期:2016年12月14日(水)~20日(火)
時間:12:00~19:00
場所:梅屋アトリエ(二子玉川駅徒歩5分)
〒158-0094 東京都世田谷区玉川3-28-2ハイツリバーサイド101
TEL/FAX 03-6411-7713
MAIL info@umeyakimono.com