黙々と

2012/07/01 mito

最近は、黙々と制作の日々です。

 

秋にある展覧会に向けて「本七宝」という技法を用いて

花瓶を作っているのですが

もう、これは大仕事。

いやいや、大仕事というより小仕事大量。

 

夜中に作業用ライトの下

毎日のように銀線を立てる「植線」や

ガラスのユウヤクを入れ込む「施釉」ということを行っています。

とても小さな世界なので夢中になって続けてしまうと

目がぐーんと真ん中に寄ってしまった!なんてことも。

 

この「本七宝」というのは

日本古来から伝わる七宝焼の元となる技法。

主に立体作品のために生み出された技法なので、ユウヤクは固く

流れにくくて溶けにくい性質をもています。

 

これを生涯をかけて身につけたいと思っているのですが

今回は今まで制作した本七宝を使った作品の中でも

一番大きいもの。

5x5センチの四角の中をうめるのだって

デザインによりけりですが、下手をしたら30分ほどかかってしまうような細かい作業の連続です。

今は終わりが見えない時期なので、ぐっと我慢。

まるで何かの修行のようです。

 

簡略化。効率化の昨今に逆い

生産性の無い、非効率的すぎる物をこれからも愛でていきます。

 

皆様にお見せできる日が来る事を願って、今夜もこつこつ作業を続けます。