最近は、黙々と制作の日々です。
秋にある展覧会に向けて「本七宝」という技法を用いて
花瓶を作っているのですが
もう、これは大仕事。
いやいや、大仕事というより小仕事大量。
夜中に作業用ライトの下
毎日のように銀線を立てる「植線」や
ガラスのユウヤクを入れ込む「施釉」ということを行っています。
とても小さな世界なので夢中になって続けてしまうと
目がぐーんと真ん中に寄ってしまった!なんてことも。
この「本七宝」というのは
日本古来から伝わる七宝焼の元となる技法。
主に立体作品のために生み出された技法なので、ユウヤクは固く
流れにくくて溶けにくい性質をもています。
これを生涯をかけて身につけたいと思っているのですが
今回は今まで制作した本七宝を使った作品の中でも
一番大きいもの。
5x5センチの四角の中をうめるのだって
デザインによりけりですが、下手をしたら30分ほどかかってしまうような細かい作業の連続です。
今は終わりが見えない時期なので、ぐっと我慢。
まるで何かの修行のようです。
簡略化。効率化の昨今に逆い
生産性の無い、非効率的すぎる物をこれからも愛でていきます。
皆様にお見せできる日が来る事を願って、今夜もこつこつ作業を続けます。